3人娘の親父が走る。いつだって全力中年。

3人娘の親父がランニングを中心に、日々の出来事をそこはかとなく綴ります。

【走りオフ】バンドのボーカルとして高橋優の「虹」を熱唱する俺。小さな夢が叶った日。

俺が最近所属することになった、おやじのバンド。

所属することになったエトセトラと俺の涙については、こちらのエントリーを。


そのおやじのバンドの練習が開催されるというLINEが来た。

「超絶いい人バンドマン」と「永遠の悪ガキ下町ロケット親父」から、

「ウッディ、歌いに来てね」
「ちゃんと歌詞を覚えてきてね」


なんと。
バンドに所属して数日の俺が、バンド練習でボーカルとして歌わせてもらえるらしい。

俺は、嬉しさを感じながら、少しばかりの戦慄を覚えた。
「ボーカルをやってみたい」的な発言を安易にしてしまった自分に少しばかりの後悔を覚えた。

音楽と真剣に向き合うおやじのバンドメンバーに対して、決してボーカルが足をひっぱるような真似はできない。


その日からというもの、俺は常に高橋優の「虹」を聴いていた。

通勤中も、ブログを更新するときも、爆弾投下のときも、四女への渾身のプレイバウの瞬間も。


そして、練習当日。
スタジオに向かう俺の足は、少し重い。
「うまく歌えるのだろうか…」


スタジオに入った瞬間の無響空間特有の圧迫感は、俺の感じる心理的圧迫をさらに高めた。

「おぉ、ウッディ。やっぱり走ってきたの?」

「はい!」
笑顔で応える俺。
実は、プレッシャーのあまり走って来れなかったことは、その時は言えなかった。


メンバーは、それぞれ準備をする。
俺も発声練習。
が、プレッシャーのあまり喉がカラカラで声が出ない…


「じゃぁ、とりあえずやってみようか」

「もう、始めるのか…」俺の不安はお構いなしに、練習は始まる。


「永遠の悪ガキ下町ロケット親父」のドラムスティック3回の合図で演奏が始まる。

「ワン、ツー、スリー」
ちゃぁら ちゃら ちゃら ちゃーらら ちゃっちゃー♪

「超絶いい人バンドマン」のカッコよすぎるギターイントロ。

「生き方がLSDの地元の権威」のテンポが軽快なピアノ。

「永遠の悪ガキ下町ロケット親父」の完璧すぎて非の打ちどころがないドラム。

「老眼鏡をかける和尚」の時折存在を消すベース。

「麦わらのコーチョー」の必要なのか否かが不明のタンバリン。


次は俺だ。
「ごくり。」飲むツバの音がマイクに拾われるほどの音を立てる。

「じんせいのよしあしを さばく るーる なんかないのにー」
全然歌えん。バンドに合わせるって、こんなに難しいのか…。
カラオケで歌うこととのあまりの違いに、困惑を隠せない。

が、メロディーは進む。
必至になんとか歌詞を口から出す俺。


「いっかい止めよう!」
演奏をストップする「永遠の悪ガキ下町ロケット親父」。

「やっぱりズレズレだな。とりあえずAメロまで練習しよう。」
どうやら、俺だけが悪くて演奏が止まったわけではないようだ。
安堵する俺。


繰り返すAメロ。

メロディーが難しくうまく歌えないところは、音符を見ながら「麦わらのコーチョー」に歌い方を教えてもらう。

ドラム、ギター、ベースの音がなくなり、ボーカルが聴かせる個所は、
「生き方がLSDの地元の権威」の弾くピアノの音を頼りにテンポを取る。

「超絶いい人バンドマン」の奏でるギターの音で曲全体の雰囲気や流れを掴む。

「永遠の悪ガキ下町ロケット親父」の叩くドラムから歌いだしのタイミングを得る。

「老眼鏡をかける和尚」の少し自信なさげなベースの音を頼りに次の音の音程を確かめる。
が、時折完全に存在を消すことで俺の歌う音程が崩れる。


少しずつ分かってきた。

練習を繰り返すうちに、バンドで歌うことの難しさを少しずつ克服し、みんなで音楽を作っている楽しさを感じられるようになってきた。
みんなとのテンポが合うと、気持ちよく歌える。
みんなとのテンポがズレると、途端に歌いづらくなる。


歌いながら感じるバンドメンバーの汗、鼓動、血潮。
俺は歌う。


「うぉうぉうぉうぉっうぉーーー いぇーーーーーー 虹がぁかかるよー」
の通常、カラオケでは恥ずかしくて歌うことがためらわれる部分も歌いきった。

「やりきった…。」
ひたいから流れる汗を感じながら、圧倒的な達成感を感じられた。

俺の長年のひそかな夢。
「バンドのボーカルをやること。」
その夢が叶った、特別な1日になった。


そしてその後、俺たちは深夜1時半まで美味しい酒を飲み続けたのだった。



翌日、「超絶いい人バンドマン」が録音してくれた俺たちの「虹」がLINEで送られてきた。
ドキドキしながら聴く俺。

「なんだ??この声?」
音程ずれ/テンポズレがひどく、高音がしゃがれてる俺の声。
恥ずかしすぎるぜ。

昨日は、あんなに気持ちよく,なんならば「俺、うまい。」くらい思っていたのに。
これが現実。

「それくらいが上等だろ また立ち上がろう」

現実を知った俺は、再度「虹」を聴き続け、練習した。

そして、奥方に「うるさい!」と怒られるのだった。



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